日本財団 図書館


 

Table-6. Classified List of Mitigation Technologies

072-1.gif

傾斜護岸・人工浅場等)」を付け加えた工法が多く、これは、「関西新空港島」「羽田沖人工浅場」「葛西海浜公園」「五日市人工干潟」に代表される大規模海洋環境創造事業が少ないためと計画段階で環境・生物に配慮した技術の検討、完成後の成果の予測、維持管理の方法、成果の評価方法の確立等か課題として残されているからと思われる。
6. 結論
日本の沿岸域管理の状況は、アメリカやフランスとは大きく異なり、これらの国のミチゲーションの制度をそのまま導入することはできない。日本の沿岸域は国の管理下にあるか、管轄か細分化されており、自然環境保護といった広範囲にわたる計画が実行されにくい特質がある。
また、沿岸域整備事業にミチゲーション的概念を導入することか必要であると認識されていても、現状では住民の理解や技術の確立が十分ではない。
海域環境・生物に配慮した事業を普及させるためにも、まず日本でのミチゲーションの概念を確立し、その概念をきちんと実行するために関係省庁の協力体系を整え、同時に自治体や国民とのコンセンサスをはかりながら一体となって取り組むことが必要である。また、河川から海に流入する工場排水の汚染や流出土の減少による海浜の後退等、海域環境の悪化が進んでいる日本では、これからの開発に加えて、すでに悪化している環境を改善するミチゲーションも必要と言われているが、視野を広くもち河川と海との結びつきを考慮し、陸域と海域が一体となったミチゲーションを行う必要がある。
参考文献
1)国連事務局環境庁外務省監訳:「アジェンダ21」(社)海外協力センター発行1993.
2)環境庁長官官房総務課編:「環境キーワード」(財)経済調査会1992.
3)環境庁:「第4回自然環境保全基礎調査海岸調査」1993.
4)環境庁:「第4回自然環境保全基礎調査海域生物調査」1993.
5)環境庁編:「環境白書(平成7年度版)」大蔵省印刷局1995.
6)磯部雅彦著1「海岸の環境創造」朝倉書店1994.
7)神奈川県環境部環境政策課:「自然にやさしい技術100事例」1994.
8)運輸省港湾局編:「環境と共生する港湾〈エコポート〉」大蔵省印刷局1994
9)運輸省港湾局編:「人と地球にやさしい港湾の技術をめざして」大蔵省印刷局1992

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION